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写真撮影:©新建築社
多重の家 ( K邸 )
2024 JIA関東甲信越支部 住宅部会賞 会長賞、 グッドデザイン賞、日本建築士連合会作品賞奨励賞
隣どうしの2家族が中庭を囲んで住まう。
敷地は北鎌倉の私道の奥にある。角地であるが実は通り抜けができないため、限りなく私的な道に囲まれた場所である。
北鎌倉では、道を歩いていたかと思うと誰かの敷地に迷い込んでしまうことがよくある。
さらには線路をはさんで急な高低差ができているので、迷い込んだ先にはよく、見晴らしが広がっているのである。公と私の曖昧な連続性とこうした垂直方向の驚きを、この住宅の構成の基本原理とした。
2人の子供のいる夫婦と祖母による二世帯住宅。中庭を囲む空間には庇がかけられ、連続したヒューマンスケールな軒下空間をつくる。内部には敷地の外とつながる抜けや高低差を取り込み、1階では中庭を介して空間のひだをつくるように外部を連続させ、公と私、内と外が緩やかにつながることで、住環境の豊かさに還元されるような建築を目指した。2階にあがると遠くの神社の山並みを眺める視点、長く伸びる私道の軸線を見下ろす視点、空を切り取る窓に囲まれた部屋など、空間は連続しながらも、より長く遠くに視線が抜けるようにシークエンスに変化をつけた。こうした空間性が、2家族が庭を囲みあって住む上でのおたがいのここちよい距離感をつくりだすのに直接反映されている。
Location
Kanagawa, Japan
Program
House
Completion Year
2022
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